スペインでは文化財の修復が失敗
する事案が相次いでいるという。
何年か前に貴重なキリストの絵が
素人の修復でお猿さんの様に
されてしまったと話題になったけれど。
無論、スペインでは文化財を保護する
仕組みは揃っているのだけれども、
経済危機の影響で公的機関が修復に充てる
お金が激減しているのが原因らしい。
つまりは無償で引き受けてくれる
素人がいれば頼んでしまう…とか。
まあ、ここまでは失敗の話。
でも前述の素人修復の憂き目に会った
教会では逆に世界中から観光客が
殺到しているとか。
事が注目されるまでは殆ど人が
訪れる事はなかったという。
そういう意味では成功なんだろうな。
なんだかなぁって感じもするけど。
しかしながら、元々教会ってそういう
ところじゃないし、観光客呼んでナンボ、
というのは現代の感覚らしい
気がするのよね。
ただでさえ現代よりも信仰が厚かった
であろう教会が建設された中世なんかじゃ
笑い事では済まされなかったとも思う。
そもそも観光で入れるようなところ
じゃなかっただろうし。
つまり現代の感覚では(商業的ともいうか)
成功とも言えるけれど、中世の感覚では
失敗とでも言うべきか。
なんにせよまた数百年経てばこんな
出来事も歴史にはなる訳だから
これでいいのだ、なのかも知れない。
あくまでも教会は教会。
聖人は聖人。
なにもこんな事があったからと言って
教会がテーマパークになる訳でも無く
聖人がアイドル扱いされる訳でも無い。
本質さえ伝われば様々な出来事が
時代により姿を変えても
別にいいじゃないかとも思うけど。
どうなんだろう、ねえ。
ちいさなものがたり
長野県松本市を拠点に 転がるフリーイラストレータの 気ままな日常。
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