地元のアイリッシュパブに
時々フラリと立ち寄ると
何だか懐かしい気分になる。
時の経つのは早いもので
思えば初めてこの店を訪れた時は
まだ僕は東京に籍を置いていた。
もう10年以上も前のことだ。
その時はまだ出来たばかりだった
この店もすっかり老舗になっている。
さて、少しばかり思い出話を
してみようかなと思います。
僕が上京したのは大学進学の為…を隠れ蓑に
本気で音楽をやりたかったのである。
当時はロックこそが王道で
他のジャンルは正直馬鹿にしていた。
と言うより純粋に興味がなかった
言った方が今は良いのかも知れない。
でもそれを認めるには若すぎたんじゃ
無いのかなぁと。
今更ながら思うに、
まあ尖ってましたよね。
でもだんだんと自分の限界が
分かってくるとそれを認めたくなくて
必死になる。
結果的に楽しんでやることを
楽しめなくなる。
まあ音楽を楽しむのためにプロになる
のでは無くてプロになるために音楽を
無理矢理楽しもうとするようになる。
そんなの楽しい訳ないのにね。
結果意地だのプライドだの何もかもが
崩壊して抜け殻になる。
当時は凄く辛かったんだと思う。
誰の言葉も馬鹿にされてるか
突き放されてるようにしか
聞こえなかったからね。
そんな精神的にもズタボロだった時
出会ったのがアイリッシュ。
まあ友達がやってたのもあるのだが
その素朴ながら何処か情熱的な響きに
魅了されていた。
演奏で様々なアイリッシュパブを
回るのち辿りついたのが当時出来て
間もない地元のパブだった。
まさか帰郷してたまに通う事になるとは
思いもしなかったけれども。
今はもう友達のバンドも解散して
足しげく通った多数のパブも移転か
閉店してしまっている。
オーナー変わって雰囲気が
変わってしまったり。
一時期かなりブームにもなったけど
やがて下火になりそんな店が減って
行くのは寂しい限りだけど。
でもね、やっぱりフィッシュ&チップス
摘みながらギネスやキルケニーなんか
飲んでると酔っ払うよりも懐かしさが
込み上げてくるんだよね。
まあでもしんみりする事ばかり
でも無くて当時は弾き手自体が珍しかった
アイリッシュも、今は大分演る人が
増えているようだ。
バグパイプ、ブズーキ、バンジョーとかも
さることながら
アイリッシュではヴァイオリンとか
フルートとか敷居の高そうな楽器も
割と普通に見かける。
つまるところ身近な音楽だといえる
のかも知れない。
日本だとまだイメージ的にホールで
しっかり聴くための楽器と思われている
感のあるものが普通に言わば飲み屋で
酒の肴に親しまれているのだから。
日本じゃ認知度はハロウィンにも
ましてまだまだ低い(と思うけど)
三つ葉のクローバーがシンボルの、
3/17日、St Patrick's Day
なんか多いに盛り上がる。
そんなことを想いながら
過去を振り返るのもくすぐったい
秋の夜長だったりするのです。
ちいさなものがたり
長野県松本市を拠点に 転がるフリーイラストレータの 気ままな日常。
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