遠近法のはなし


オンラインの講義をする様になって
はや2ヶ月。

パワポ+クリスタの資料作りに
お手本のイラストを描くのが日課に
なりつつあります。

zoomは相変わらず慣れんけど(笑)

しかし対面でないということは
しんどいと言うわけでもないけれど
相手に伝えるためには様々な視覚的配慮が
必要になる訳で、どういう風にしたら
よりわかり易く相手に伝わるかを考える。

となると少なくとも自分のやり方を
分析して理論化しなければ出来ない。

元々理屈っぽいのは好きじゃない
はずなのだが何故か理屈っぽいのが
また自分というヒトな訳で…

めんどくさい(笑)

さておき、最近取り組んでいるものと
言えば「遠近法」。

以前にも取り上げたかも知れないけれど
少なくとも絵描きにとっては必ずと言っても
良いくらいに身近でぶち当たる壁でもある
理論ではなかろうか。

画面に奥行きを出す為には
透視図法、短縮法(平行投影法)、
錯視、色彩対比など
様々な方法があるわけだけども、
よく使うのは一点透視や
短縮法だろうと思う。

少なくとも自分の描く世界感は
大概コレばかりな事が多い。

CADなんか図面を描いてる人には
透視図法ならパース図法、短縮法なら
アクソメ、アイソメ図法、
キャバリエ図なんて方が
しっくりくるかも知れない。

西洋絵画には透視図法が多く
使われているし
浮世絵や絵巻物なんかには
短縮法が多く使われていたり。

ただイラストが図面と違う面白いところは
ディフォルメが加わるところだろうか。

もちろん、正確な図面技法ありきで
描く絵描きさんもいる訳だから
個人的な意見になるけれど。

つまりここでいうディフォルメとは
遠近法の基本線を捻じ曲げることで
より奥行きを出したりという意味である。

美大とかでも教えられているようだが
それは曲線遠近法というものだ。

分かりやすく言うなら魚眼レンズ効果
というものがあるが、アレの事である。

単なるパノラマ写真をねじ曲げて
左右を曲線に消失していくようにした方が
より奥行きが感じられるだろう。

もっとシンプルに言うと水平線を見た時
平地よりも高い所から見ると丸く感じる。
地球でけえ!と感じる。

僕はあの感覚をよく取り入れる。
ちょっと話は逸大きくなるが
天文学における重力レンズ効果
というものがある。

あれも重力の大きな天体を光が通過する時
光が捻じ曲げられることにより
本来なら見えないはずの裏側の天体も
見えてしまうというものだ。

つまり空間が視覚的に捻じ曲げられる分
より奥行きがあるように見えるのである。

まあ描く上では極端にやり過ぎると
わざとらしくなるから、アタリの時点で
さじ加減は重要だったりするけれど。

さておき、三次元的な技法をあえて
二次元的に閉じ込めようとした試みが
キュビズムに繋がっていった事を考えれば
哲学的な意味合いでも遠近法というのは
本当に奥深いですね。

使いこなすのは大変だけれど。

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ちいさなものがたり

長野県松本市を拠点に 転がるフリーイラストレータの 気ままな日常。