手を描くことは画力に直結する。
言い換えれば、描いた手を見れば
描き手の画力が分かる。
講義の資料作りを三、四時間していて
つくづく一理あるなと思ったものだ。
別に自身の手を眺めながらウットリ…
などというナルシスチックな
事を言っている訳ではない。
手における比率は先述の人体寸法に
繋がるものがあるという意味です。
つまり手をうまく描こうとすることは
全身をうまく描こうとすることでもある
のです。
具体的に言うと開いた手のひらは
個人差はあれど顔の大きさとほぼ同じ。
人の頭身が概ね8頭身である事を考える。
そこで。
両手を広げた長さ(指極)は身長と同じ。
となるとその長さも頭8個分の長さなの
である。
そうなると身体の各々の比率関係は
前回述べたように弾き出されていく訳だ。
話を戻そう。
では手の寸法を見てみよう。
まず手のひらの比率関係は
中指の長さと手のつけねまでの
長さはほぼ同じ。
親指と小指の長さは同じ。
親指の付け根から手首のつけね、
描く指のつけねまでの距離もほぼ同じ。
つまりお互い1:1の関係性にあるという事だ。
余談になるが開いた手のひらと
顔の大きさは同じ、そして
頭頂から目線、口、顎までの
比率もほぼ1:1:1の関係にある。
人には様々な体型の違いがあるわけだが
根本の比率は大まかに変わるわけではない。
ここを抑えるか、否かで
特にディフォルメしたときの
印象もだいぶ変わってくる。
これが画力が分かる、と言われる
所以なのかなとは思う。
単純なようで奥が深いな、人体比率。
ちいさなものがたり
長野県松本市を拠点に 転がるフリーイラストレータの 気ままな日常。
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