僕らは普段から様々な色に囲まれて
暮らしている。
身近すぎてあまり深くも考えることも
ないのだが、色というものには
それぞれが持つ構成上の役割がある。
例えば寒色系の色は安らぎを
与えてくれるし、暖色系の色は
温かみを与えてくれたりする。
インテリアコーディネートの
世界なんかだと、空間の三位色という
概念もある。
これは部屋の色調を構成する要素を
決めるためのもので、
ベースカラー(基本色)
アソートカラー(配合色)
アクセントカラー(強調色)
と呼ばれる。
ベースカラーは壁や天井など部屋の
雰囲気を直接決めるもの。
アソートカラーは家具やカーテンなんかの
エレメントの色。
ベースカラーはもっと細かく
クッションとかワンポイントの
エレメントの色の事だ。
絵描きの世界でもどんな作品に
するかにもよるけど
画面構成上重要な要素でもある。
そこで色調体系というものがある。
デザインの世界で有名なものだと
マンセル色相環、オストワルト色相環、
PCCS色相環というものがある。
この中でもよく使われるのが
マンセル色相環で、
これは原色5色(赤・黄・緑・青・紫)に
それぞれの中間色
(黄赤・黄緑・青緑・青紫・赤紫)を
加えて10色とする。
さらにそれぞれの色を10段階に分けて
合計100色の色相にする。
さらに色の明るさ(明度)を10段階に分けて
上へ行く程明るく、下へ行く程暗く
なるようにする。
あとはそれぞれに対応する彩度
(色の鮮やかさ)を当てはめて表にし、
Hue(色相)/Value(明度)/Chroma(彩度)
と表記したものである。
全ての色に名称を与えるのは無理なので
こうしたいわば色の地図のようなもので
指定する訳である。
空間と画面構成の話に戻すと、
まずベースカラー。
これにより全体の雰囲気が変わって
来るので、刺激的に敢えてしたいのなら
話は別だけれど、大体は落ち着いた
優しい色が望ましい。
つまり明るくてあまり鮮やかでない
色が向いている(高明度・低彩度)と
言うことになる。
次にアソートカラー。
これは雰囲気を壊さない程度に
強調された色とでも言うか。
つまり程々に明るく鮮やかもしくは
明るくてもあまり鮮やかでない色と
言えるかも知れない。
そしてアクセントカラー。
これはワンポイントなので
思い切って明るく鮮やかなもの、
もしくは面積対比(大きな面積に対して
小さな面積の色はより強調されて見える)に
よりその真逆でもいいかも知れない。
このように何をもって色を構成するかに
よってもかなりその雰囲気も左右される
訳です。
普段からこんな色の世界にもできる限り
目を向けておきたいものだ、と思う。
ちいさなものがたり
長野県松本市を拠点に 転がるフリーイラストレータの 気ままな日常。
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