対比を考える

色というものを扱う上で、

知っておきたいものに

対比という要素がある。

これは異なる2色を並べた時の

お互いの見え方、言わば色の

錯視のことだ。

主なものに面積対比、明度対比、色相対比、彩度対比、補色対比などがある。

まず面積対比とは、同じ色でも面積が大きい場合は明るく鮮やかに見えるのに対して、小さな場合は暗く、濁って見える事をいう。

明度対比とは、

暗い色を背景にしたときは

本来よりも明るく、明るい色を背景に

したときは本来よりも暗く見え、

明度が変化して見える事をいう。

色彩対比とは、

例えば赤を背景にしたオレンジは

黄みをおびて見え、

黄を背景にしたオレンジは

赤みをおびて見える。

つまりオレンジは本来の色相と

異なって見える。

彩度対比とは、あざやかな色を

背景にしたときはより鈍くくすんで見え、

くすんだ色を背景にしたときは

よりあざやかに見える。

つまり彩度が変化して見える。

そして補色対比。

これは先述したマンセル色相環上の

反対に位置する色相は補色関係に

あると言うが、この補色関係にある

色同士はお互い際立って見える事をいう。

例えば色相環上赤の反対に位置する色は

青緑だが、この2色を並べてみると

お互いにより鮮やかに見える。

このように、色と色との兼ね合いとは

不確定要素ではなくて、れっきとした

法則性があるのだ。

この色いいなーと思って

とりあえず組み合わせてみたら

あれ？予想と違うなと

感じるのはそのためだ。

色というのはその色単体で

存在しているのではなくて、

実際には複数の組み合わせ、

様々な対比効果によって

見えているのである。

何か目立たせたいパーツや部分がある時は

こんな事も踏まえて塗りわけると

いいかも知れないね。